- 「『関心』と『感心』はどのような違いがあるの?」
- 「『関心』と『感心』の実例を教えてほしい?」
という疑問をお持ちではありませんか?
この記事では辞書やWebライターをしている筆者の経験の観点から解説します。
具体的には
- 「関心」と「感心」の違いと使い分け方
- 「関心」の意味と用法
- 「感心」の意味と用法
の順番にご紹介していきます。
「関心」と「感心」の違いと使い分け方
「関心」と「感心」はどちらも「かんしん」と読みますが、次の違いがあります。
- 関心:物事に興味を持つこと
- 感心:すぐれたものに心が動かされること
辞書で調べると次のように記載されています。
(関心:かんしん)
物事に興味をもったり、注意を払ったりすること。
(引用サイト:広辞苑無料検索 ハイブリッド新辞林)
(感心:かんしん)
(1)すぐれたものとして深く心に感じること。
(2)(逆説的に)驚きあきれる気持ちをもつこと。「君のばかさかげんには-するよ」
(引用サイト:広辞苑無料検索 ハイブリッド新辞林)
このように辞書の意味からも分かるように、「物事に興味をもつこと」と「すぐれたものに深く心に感じること」で使い方が異なります。
それぞれの使い方を説明します。
- 「1歳の子どもが言葉を覚えることに(関心)をもっているように見える」
- 「1歳の子どもが言葉を覚えたので『すばらしい』と(感心)した」
この例文では「1歳の子どもが言葉を覚える」ことに対して、「関心をもったのか?」「感心したのか?」によって使い方が変わってきます。
そのため、以下の表に示した違いがあります。
項目 | (関心:かんしん) | (感心:かんしん) |
意味 | 物事に興味がある | 深く心に感じた |
置き換え言葉 | 興味 | 心が動く |
文末表現 | ある、もつ | した、する |
この表のように、2つの言葉には意味だけでなく、文末表現も異なる点に注目すると、意味が分からないときでもうまく使い分けることができます。
「関心」の意味と用法
「関心」とは、「興味をもつ」という意味です。
例文を使って分かりやすく説明します。
- 私は帝王学に関心がある
- 子どもが大谷翔平選手に憧れて、野球に関心をもった
- F1レーサーだったアイルトン・セナの事故をテレビで見てからF1に関心をもった
- 高校時代に部活動で完全燃焼したので、社会人になってからは無関心になった
- WebライターやWebディレクターに関心がある
- 料理に関心はあるが、作る時間がない
- ダイエットにとても関心をもっているが行動に移せない
- 老後を考えて不労所得に関心をもっている
- 人は動くものに関心があるようだ
- サッカーのリオネル・メッシ選手は観客の関心を惹(ひ)くプレーをする
さらに、言葉の意味からすると、「関心」は「興味」に置き換えても、以下の文章のように内容を理解できます。
- 私は帝王学に(興味)がある
- 子どもが大谷翔平選手に憧れて、野球に(興味)をもった
- F1レーサーだったアイルトン・セナの事故をテレビで見てからF1に(興味)をもった
「関心」の使い方に迷った場合には、「興味」に置き換えることを覚えておくと便利です。
また、漢字にもそれぞれ意味があり、辞書には以下のように記載されています。
(関:かん)
(一)出入口。せきしょ。
(ニ)何かを動かすのに必要な大事な所。
(三)かかわる。あずかる。
(引用サイト:広辞苑無料検索 新明解国語辞典)
(心:しん
[一]こころ。気持。
[ニ]心臓。
(引用サイト:広辞苑無料検索 新明解国語辞典)
漢字の意味を組み合わせると、「かかわる・気持ち」となり、「気持ちが関わっている」という意味になります。
そのため、「関心」の漢字の意味だけみても、「何かに『気持ちが関わる』こと」を表現することが分かります。
また、類義語には次の言葉があります。
配慮、気配り、考慮、心遣い、留意、興味、注目、注意、探究心、冒険心、追求心など
このように類義語にも多くの言葉があるので、「関心」にこだわらず、類義語もまじえて文章表現に最適な言葉を使い、分かりやすい文章を執筆しましょう。
「感心」の意味と用法
「感心」とは、「心が動く」という意味です。
また、「感心」には主に次のような使い方があるのでご紹介します。
表現の状況 | 使い方・意味 |
感動したとき | 言葉や態度が素晴らしいと感じて心が動いた |
褒める(ほ・める)とき | 物事に対して素晴らしい行いや言葉に心が動いた |
感銘(かんめい)を受けたとき | 感動と同じだが、強く心が動かされた |
立派だと感じたとき | 目下の者を褒めるときに使う言葉 |
嫌な思いをしたとき | 素晴らしい行いや言葉だと思わない |
このように表現の状況によって、使い方や意味が変わってきます。
ただし、上の表にもあるように、「感心」には「目下の者を褒める」場合にも使われることがあるので、目上の人を表現する場合には避けましょう。
例文を使って分かりやすく説明します。
(感動・ほめる・感銘などの感心)
- サーカスの見事な演技を見て感心した
- オリンピック選手のスポーツマンシップに感心した
- スティーブ・ジョブズの言葉に感心した
- 学生が勉学に励んでいる姿を見ると感心する
- SDGsとはいえ、ゴミ拾いは感心なことだ
- 社長の言葉に感心を受け、前向きに取り組めるようになった
- 年長者の態度に感心を受けたが参考にならない
(目下の者に対して使う場合)
- 部下が率先してクライアントとコミュニケーションを取るようになるとは、感心なことだ
- 部下の気遣いには感心する
- 今日も元気よくあいさつができて、感心な生徒たちだ
(使ってはダメな例:目上の人に対して使った場合)
- 営業部長は、いつも頭が低いので感心します
- 店長の感心するところは、アルバイトの僕たちにも気軽に接してくれることです
- 小学校へ通学中に落とし物をしましたが、拾って届けてくれたお兄さんは感心な人です
このように、目下の者に使う場合には違和感がありませんが、逆に目上の人に使う場合は、いくら「です・ます調」で文末表現を丁寧にしても、文章自体がすごく偉そうに感じて」不自然です。
そのため、「感心」を使う場合には、最低限この違いを覚えておけば、目上の人に失礼はありません。
また、類義語には次の言葉があります。
讃美、敬慕、偶像礼拝、心酔、礼拝、尊敬、偉い、褒め上げる、感服、称賛、絶賛、褒めたたえる、三嘆、感嘆、神妙、見事、あっぱれ、殊勝、奇特、立派、感動、感激、感銘など
さまざまな類義語があるので、無理に「感心」を使って、表現が分かり辛くなるようなら、類義語をまじえて理解しやすい表現に工夫しましょう。
まとめ
この記事では、「関心」と「感心」の違いと使い分け方を解説してきました。
- 「関心」とは、「興味をもつ」こと
- 「感心」とは、「心が動く」こと
ぜひ参考にしてください。
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