- 「『改訂』と『改定』は何が違うの?」
- 「この言葉はいつ、どのように使い分けるの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
この記事では辞書やWebライターをしている筆者の経験の観点から解説します。
具体的には
- 「改訂」と「改定」の違いと使い分け方
- 「改訂」の意味と用法
- 「改定」の意味と用法
の順番にご紹介していきます。
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「改訂」と「改定」の違いと使い分け方
みなさんも「改訂」と「改定」は、辞書やネットの文献などで一度は目にしたことがあると思いますが、正しい使い方を知っていますか?
どちらも「改める(あらためる)」という漢字があるので、「文章のどこかを手直ししたのかな?」くらいの感覚で、あまり気に留めていない方の方が多いかもしれませんね。
しかし、この2つには大きな違いがあります。
- 改訂:内容を改めなおすこと
- 改定:改めて定めること。
辞書で調べると、次のように記載されています。
(改訂:かいてい)
書物などの内容の一部に手を加えて改めなおすこと。「旧版を-する」「-版」
(引用サイト:広辞苑無料検索 大辞林)
(改定:かいてい)
すでに定められていたものを改めて定めること。「運賃を-する」
(引用サイト:広辞苑無料検索 大辞林)
このように、どちらも「すでにあるものをどうするのか」によって漢字を使い分けます。
たとえば、「辞書の内容を『かいてい』した」とします。
この場合は次の内容で使い分けます。
- 辞書に記載されている言葉の意味や内容を改めて手直しすると「改訂」
- 辞書に記載されていない言葉や内容を改めて定めると「改定」
少し分かり辛いので簡単に説明すると、次のように解釈できます。
- 改訂:書かれている内容を修正したとき
- 改定:書かれていない内容を新しく追加したとき
ここで注目してほしいのは、「そもそも辞書という書物がある」ことと、辞書自体を「辞書以外の別の書物に変更していない」ことです。
このことを踏まえて、次は分かりやすい例文を使ってさらに詳しく解説します。
「改訂」の意味と用法
「改訂」とは、内容の一部を修正することです。
例文を使って解説します。
- この本は旧版より、改訂版の方がおもしろい
- 資料内容の一部を急いで改訂しました
- 元版の参考書ではなく、改訂バージョンがほしい
- 計画書を改訂した
- 提出した書類に間違いがあったので、改訂を指示した
- 資料に目を通して、明日までに改訂しなさい
- 必要に応じて文書の内容を改訂する
- この度、改訂された辞書を買った
- 先日の議事録を改訂して配布した
- マニュアルの改訂は慎重に行う必要がある
このように「改訂」は、もともとあった内容を一部修正したことを表現するときに使います。
また、漢字にはどのような意味があるのか、辞書で調べると次のように記載されています。
(改:かい)
新しいものに変える。あらためる。「改革・改新・改築・変改・更改」
(引用サイト:広辞苑無料検索 新明解国語辞典)
(訂:てい)
まちがいをただす。「訂正・改訂・校訂・補訂」
(引用サイト:広辞苑無料検索 新明解国語辞典)
ただす。意見・ことば・文字のくいちがいをつきあわせて一つにまとめる。
「訂正」「改訂」
(引用サイト:広辞苑無料検索 学研漢和大辞典)
この2つを合わせると「あらためて、まちがいをただす」となり、「間違いを修正する」という意味になります。
また、「訂」には、「意見や言葉、文字の食い違いをただす」という具体的な意味があるので、漢字の意味を覚えておくと使い方を間違えないでしょう。
改訂の類義語には次のような言葉があります。
- 修正、修整、訂する、正す、直す、改める、手直し、校閲、加筆、更生、修繕、改善、変更、改編、改案、是正、補正など
どれも、元からあるものを「手直しする」という意味があります。
そのため、「改訂」は「修正・手直しする」と覚えましょう。
「改定」の意味と用法
「改定」とは、内容にないものを新しく追加・変更することです。
例文を使って解説します。
- 商品の価格を改定した
- 法律が変更されたので、就業規則を改定する
- 今年はバス料金を改定する予定だ
- 来年に向けて学校の校則を改定する
- MLBでは大谷選手の活躍により、ルールが改定された
- レストランのメニューが改定された
- 原油価格の高騰により、石油製品の価格も改定された
- テレワークが推奨されるようになり、契約条件を改定した
- 価格改定のお知らせが届いた
- 改定された社内規則の内容を確認した
このように「改定」は、ルールや規則など、あらかじめ決められたものがあり、その内容を「新しくしたり、新しく付け加えたりするとき」に使います。
また、漢字には次の意味があります。
(定:てい、じょう)
①さだめる。さだまる。「-規・-石」「勘-」
②さだめて。かならず。「必-」「会者-離」
③仏教で、心を一つの対象に集中させて動揺を静め、安定させること。「禅-・入-」
(引用サイト:広辞苑無料検索 明鏡国語辞典)
①さだめる(さだむ)。さだまる。物事を一つにきめる。物事が一つにきまる。ひと所に落ち着く。「決定」
(一部省略)
④さだめ。きまって動かないきまり。「規定」「定例」
(引用サイト:広辞苑無料検索 学研漢和大辞典)
「改定」の漢字の意味を組み合わせると、「新しいものに変え、物事を一つにきめる」となり、「新しいルールや規則を決める」と解釈できます。
そのため、「改定」は「今まであるものを基準にして、新しいルールを決める」と覚えましょう。
また、類義語には次のような言葉があります。
- 入換える、入替える、決め直す、切り変える、など
どれも、「今まであるものに対して、新しくする」という意味があるので、状況に合った適切な言葉を使って上手に文章を表現しましょう。
まとめ
この記事では、「改訂」と「改定」の違いと使い分け方を解説してきました。
- 「改訂」とは、「今までの内容を修正、手直しする」こと
- 「改定」とは、「今までの内容を基準として、新しいルールを決める」こと
ぜひ参考にしてください。
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