時系列法とは?使い方や例文、種類をまとめて解説します!

みなさんは、アニメやマンガは好きですか?

  • 「謎解きが好きでよく読んでいるけど、なぜおもしろいの?」
  • 「業務内容を順を追って報告するよう注意されるけど、なぜ?」
  • 「記事を書こうとするけど、うまく書けないのはなぜ?」

という疑問をお持ちではありませんか?

そこでこの記事ではそんな「上手に書きたい」「わかりやすく伝えたい」というお悩みを、辞書や体験談の観点から解決します。

目次

時系列法とは

はじめに、時系列法とは何か辞書で調べると以下のように記されています。

  • 時系列(じけいれつ)

時間の経過に従って、確率的な現象を観測して得た値の系列。時間数列。

(引用サイト:広辞苑無料)https://sakura-paris.org/dict/%E5%AD%A6%E7%A0%94%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E5%A4%A7%E8%BE%9E%E5%85%B8/content/3809_180

簡単に言うと、時間経過の順番です。

「いつ・どこで・何をした」などで使われる5W1H法は、一つの物事に対して用いられます。

この5W1H法で書かれた文章を時間経過の順番に並べることで、よりわかりやすくする方法が「時系列法」です。

  • 5W1H法(ご・ダブリュー・いち・えいちほう)とは

(when、where、who、what、why、howの頭文字から)いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように行ったかという、報道や報告を構成する基本要素

(引用サイト:広辞苑無料)
https://sakura-paris.org/dict/%E5%BA%83%E8%BE%9E%E8%8B%91/prefix/5W1H

例文で説明するとわかりやすいので、「一日の出来事」について説明します。

(誤り)

午前中に本屋へ行ってきた

6時に起床して、顔を洗った

22時には、風呂に入って自室で就寝した

昼間に友達と食事をした


(正しい)

6時に起床して、顔を洗った

午前中に本屋へ行ってきた

昼間に友達と食事をした

22時には、風呂に入って自室で就寝した


正誤を比較すると、(誤り)の文章は一文単体では「いつ・何をしたか」はわかりますが、「一日の出来事」としてはわかりづらい内容です。

その反面(正しい)文章は一日を通して、「いつ・何をしたか」が流れるようにわかるので、イメージしやすいです。

また、時系列法は順を追っているので、まとめて説明できるのも特徴です。

例文を使ってまとめたものが以下の一文です。

6時に起きて顔を洗い、午前中に本屋へ行き、昼には友達と食事をし、22時には風呂に入って就寝した

このように時系列法を使うと、いつ何をしたのかを一文で簡潔にまとめられます。

絵本やマンガは時系列に沿って描かれることが多い

アニメやマンガの他に絵本も時系列に沿って描かれることが多くあります。

絵本とマンガでは、以下のように時系列法が使われています。

絵本「桃太郎」の場合

「むかしむかし、お爺さんとお婆さんが住んでいました」

「桃が流れてきて、割ると中から赤ちゃんが出てきました」

「たくましい若者へと成長し、鬼退治に出かけました」

「その後も幸せに暮らしましたとさ」


マンガ「鬼滅の刃」の場合

家族を鬼に殺された

妹を救うため、鬼と戦う道を選んだ

日々の鍛錬で強くなった

日を追うごとに、さまざまな人と出会い、苦難を乗り越えた

最終的に鬼を討伐し、妹を救うことができた


このように主人公の生い立ちから書くことで、今何をして最後はどうなったか、未来はどうなるのかを時間の流れに沿って理解できます。

また、時系列法を使うと読者も読みやすく、次の展開を期待して読むことができるので、読者離れを防ぐ効果もあります。

時系列法の書き方

それでは実際に、時系列法の書き方を例文を用いてわかりやすく解説していきます。 

過去、現在、未来

時系列で執筆するときには、基本的に「過去」→「現在」→「未来」の順番にします。

読みやすさを重視しており、時間の流れを把握することで理解しやすくなります。

また、時系列の順番を入れ替えれば、読者へ与える印象を操作することも可能です。

例文(過去・現在・未来)

過去:幼少期には、我慢を知らなかった

現在:大人になると、我慢を覚えた

未来:高齢になれば、我慢はしないだろう



ごく一般的な手法で、大きな時間軸をテーマにした執筆や歴史や報道、プロフィール、調理方法など順を追った説明にも使われます。

ただし、順番に書くだけなので説明書のように単調になりがちです。

あまり多用し過ぎると、スラスラ読めるため読者へのアピール力は弱くなり、飽きてしまう可能性があるので注意しましょう。

例文(現在・未来・過去)

現在:大人になると、我慢を覚えた

未来:高齢になれば、我慢はしないだろう

過去:幼少期には、我慢を知らなかった



この書き方はドラマや映画などでもよく見かける手法で、昔を思い出す「回想シーン」に使われます。

現在と未来を伝えたあとに、「エピソードゼロ」として主人公の過去を伝える方法は、どこかで見たことがあるでしょう。

誰かを説得する

読者を説得したい場合には、はじめに「結論」を書きましょう。

「結論」→「過去」→「現在」→「未来」の順に書くことで、結論が強調されて解説に説得力がでます。

それでは(結論・過去・現在・未来)の順で書いた以下の例文を見てみましょう。

(例文)

(結論)

ある科学者が、将来的に人間は卵型になるだろうと言っている

その意味とは、手足が必要無くなるというものだ

(過去)

ロボットは、マンガやアニメ、SF小説の中で描かれていた夢物語だと思っていた

(現在)

今では科学技術の進歩によって、ロボットや人工知能を作ることに成功している

さらに、手足の不自由な人の脳にマイクロチップを埋込み、脳が発している微弱な電気信号を検知し、手足を動かそうとしている

(未来)

近い将来、手足の代わりになるものが開発されるか、人間は寝ているだけで脳だけが生きていれば生活できる世界がくるのかもしれない



はじめに結論を伝えておけば、あとに続く説明が結論を後押するので、より強調されて説得力が増します。

誰かを紹介する

プロフィールや人物紹介で重要なことは、人物像をどれだけ鮮明に伝えられるかで、時系列法は最適の技法と言えます。

(例文)

私は幼い頃、内気な性格で人前にでることが苦手でした。

小学生の頃にはヒーローの主人公に憧れ、少しずつ人前に出られるようになり、中学・高校と部活動をして多くの仲間ができました。

就職してからは仕事に熱中するあまり友達とは疎遠になり、今では一人しか付き合いがありません。



幼少期から現在までの経緯や性格などもイメージでき、「自分もそんなことあったな」と共感を得ることができます。

また、紹介する内容によってはとても魅力的になるので、良いことばかり書けば評価はアップするでしょう。

しかし、悪いことばかり書けば評価は下がるし、相手をおとしいれるような内容にもなるので、使い方には十分注意してください。

できれば、ありのままの人物像を書いた方が正確な情報を伝えられます。

誰かに提案する

提案や企画、プレゼンをする場合にも時系列法を使えば説得力がでます。

以下の例文は、郵便配達について「今後は空のガイドラインが必要である」ことを提案した文章です。

(例文)

昔は飛脚(ひきゃく)といって、人が走って配達していました。

今ではインフラや技術革新のおかげで車やバイクで配達ができる反面、交通渋滞が問題です。

今後は、ドローン技術の向上に伴い、空輸が主流になるかもしれません。

そのため、空を使用するためのガイドラインが必要になるでしょう。


過去の状況から未来予測までを説明することで、結論が明確に伝わります。

また、順を追って説明するので理解が深められ、みんなが共感する結論に誘導する効果があります。

誰かに行動させたい

商品やサービスの紹介、お悩み相談などにも時系列法は使えます。

読者に対して以下の行動を促す効果があります。

  • 商品を買ってもらう
  • サービスを使ってもらう
  • 店や商業施設に足を運んでもらう
  • 病気などの悩みに共感してもらい、病院へ行くことをすすめる など

以下の例文は「病気かもしれないと不安な人へ、病院へ行くよう促す」文章です。

(例文)

私は、若い頃には肩凝りはありませんでした。

しかし、40代になると肩凝りがひどく、湿布と痛み止めを服用して経過観察をしていましたが、最近になって首の方まで痛みが出はじめました。

あまりにも痛いので成形外科で診察してもらった結果、頚椎症(けいついしょう)と診断され、手術するほどの支障は出ていないので痛み止めで様子を見ることになりました。

もし、同じ症状で悩んでいる人は早めに病院で診察してもらうことをおすすめします。



過去から現在の状況(出来事)を順番に説明して、読者に共感と納得感を与えます。

文章の最後に「おすすめ情報」「お役立ち情報」など、読者に「このように動いてほしい」という行動内容を書けば、スムーズに結論を伝えることができます。

また、体験談を書くことで共感を得られ、「試しにやってみよう!」と思わせることができれば多くの人は行動に移します。

以前は、現在は、今後は

過去と現在を比較し、将来の展望について執筆するときに使われます。

はじめに過去の状況を説明し、続いて現状を説明します。

そのあとに今後の展望を予測することで、読者は興味を惹かれ、次の展開が気になって読み進めてくれます。

以下の例文は「ゴーヤの苦手な人へ食べ方を紹介し、将来の夢」を書いた文章です。

(例文)

私はゴーヤが苦くて食べられませんでした。

美味しく食べる方法をいろいろと調べたところ、アク抜きとカットする厚みが重要だとわかりました。

アク抜きは塩ではなく「砂糖」を使い、厚みは5mm幅でカットし、豆腐とスパムに似たハムを使います。

味付けは塩としょうゆのみで、苦みもなく美味しく食べられるようになりました。

今では毎週作るほど大好物になったので、ゴーヤが苦手な人はぜひ試してほしいです。

今後は、SNSでも情報発信してゴーヤの普及に尽力したいと考えています。



過去と現在の変化を比較し、その上でどのように改善(克服)したかを説明します。

そのあとに「どうなりたいか」「何をしたいか」などを書くと、話の展開を広げやすくなります。

1番目は、2番目は、3番目は

考え方や手順、出来事などを順番に説明するときに使われます。

以下の例文は「考え方」について説明した文章です。

(例文)

1番目は何がしたいか考えて、2番目はなぜしたいか考えて、3番目はどうすればできるか考えてみよう。

ここまで考えて答えが出たら、あとは行動するだけだ。



非常に簡単な例文ですが、順を追って説明しているのでわかりやすく、イメージもしやすいことがわかります。

この使い方は、取扱説明書やプレゼンなど、シンプルで事実を明確に伝える方法として重宝します。

時系列法を使うメリット

時系列法は順番に書くだけで、筆者と読者の双方にメリットがあるので3つのメリットを具体的に紹介します。

執筆しやすい

時系列で執筆するため、次の展開をイメージしやすく執筆もスムーズに行えます。

小説などでよく用いられる手法として、時系列をあえて入れ替える方法があります。

これは次の展開をイメージ通りに書かず、良い意味で読者を裏切るので読者離れを防ぐ効果がありますが、この手法は小説家ならではです。

小説家があえて時間軸を入れ替えるのには理由があります。

なぜなら時系列法は「構成が非常にシンプル」だからです。

シンプルなので執筆しやすいのですが、その反面、単調で文章のおもしろさはありません。

執筆に少し慣れてくると、趣向をこらして普段と違う書き方をしたがりますが失敗するので止めましょう。

趣向をこらした例文を紹介します。

(例文)

桃太郎は鬼を退治した。

むかしむかしお爺さんとお婆さんが住んでいた。

桃が流れてきて、割ってみると中から赤ちゃんが出てきた。

きび団子をキジ・サル・イヌに与え、家来にした。

その後は幸せに暮らした。



「結果を強調したい」「読者にインパクトを与えたい」という欲求が全面に出ていることはわかります。

しかし、書く内容や書き方によっては意味が二転三転します。

例文では「鬼を退治した」「三人と家来で幸せに暮らした」という二つの意味があるように、使い方をマスターできていないときは背伸びして色気を出す必要はありません。

WEBライターは、事実だけを時間の経過に沿って書けば失敗しないので、趣向をこらさず素直に書きましょう。

相手に伝わりやすい

絵本の昔話を大人になっても覚えているのはなぜでしょうか?

それは、覚えやすい内容だからです。

時系列に沿って話が進むので、一言一句丸暗記はできなくても、イメージで次の展開を思い出せるはずです。

覚えているということは、相手に正確な情報が伝わって十分理解している証拠です。

このように時間軸で物事の経過を伝えることで、相手もイメージしやすくて理解度が上がります。

「伝えたい」「理解してほしい」記事を書く場合には、時系列法を使ってください。

情報が整理されやすい

時系列法を使えば、「いつ、どこで、何が起こった」という内容が一つずつ明確になります。

「いつ」が明確になれば、時間軸に沿って並び換えるだけで記事が書けるし、内容が整理できます。

要点も浮き彫りになってくるので、次の展開をイメージしやすくなり、迷うことなく執筆できます。

整理されている文章は順を追っているため、読みながら頭でも整理できるので非常に読みやすいメリットがあります

ただし、時系列法はシンプルで単調なので「読者を飽きさせない表現や言い回し」を工夫する必要があります。

WEBライターでは取材ライターで使われることがある

取材は、5W1H法と時系列法を意識して使うことが重要です。

取材内容にフェイクや誤報が混ざっては、信憑性がなくなるばかりか、内容によっては人権侵害に問われる危険性もあります。

そのため、取材ライターは「いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どうした」を明確に時系列に沿って執筆する必要があります。

例文で簡単に説明しましょう。

たとえば、「倉庫の家事」を取材したとします。

(誤り)

倉庫でボヤ騒ぎがあった。

無事に鎮火したようだ。

近所の住民が気付いて連絡したようだ。


(正しい)

〇月〇日10時00分に〇〇地区の〇〇番地にある空き倉庫でボヤ騒ぎがあった。

近所の住民が気づき、10時10分に消防へ通報した。

10時20分、消防の情報では中に人はおらず、倉庫の一角だけが燃えたと言っている。

10時50分、無事に鎮火したと消防から連絡を受けた。


この例文からもわかるように、誤りの方は情報が少ない上に時系列がバラバラで分かり辛いです。

正しい方は、情報が詳細な上に時系列に沿った文章になっているので、読みやすくわかりやすくなっています。

取材ライターは、「どれだけ正確な情報を詳細に時系列に沿って伝えられるか」にかかっています。

時系列法とは?使い方や例文、種類をまとめて解説します!:まとめ

この記事では、時系列法について解説してきました。

今回は、WEBライターが時系列法を使うときの注意点や使い方をすべてお伝えさせていただきました。実体験をもとにした、本当に役立つライティングのノウハウなので、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

かきすく編集部のアバター かきすく編集部 WEBライター・WEBディレクター

かきすく編集部。副業や在宅ワークでWEBライターに興味を持ってくれた方に、実体験の生々しい副業WEBライター体験談を解説。ウィビー助手はかきすく編集部の執筆をサポートする。

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